日本における海外のGI保護(抜粋)

※農林水産省HP(令和8年2月1日更新)より


 Comté (コンテ)

チーズが販売前に包装される(プレパックされる)場合、カッティングやすりおろしは生産地内で以下のように行われる必要がある。

1. 「プレパック」の定義
  プレパックとは、消費者にその形状で販売されるように事前にカット(スライス、ピース、粉状など)されることを指します。
2. プレパックに当たらない例外(生産地外でも可能な行為)
  以下の4つのケースはプレパックに該当しないため、生産地外(日本国内の店舗など)で行うことが可能です。
原料用
卸売用 

対面販売
繁忙期の暫定対応


別の製品(プロセスチーズ等)の原料にする目的で包装する場合。
第3の会社へ卸売りし、その後さらにカットされる目的で大きなポーションにカットする場合。
消費者の目の前でカット・包装する場合。
客の待ち時間短縮のため、各店舗で事前に少量の数をカット・包装する場合。
*期限:カット当日、または翌2営業日以内に販売しなければならない。
*義務:各パックにカット・包装日を記載する必要がある。
3. 生産地内で行う際の詳細ルール
  生産地内でプレパックを行う場合には、品質を保つための細かな基準が設けられています。
▼項目
タイミング
保管環境
外皮の除去
露出制限
製造ライン
▼ルール内容
チーズホールが熟成庫を出荷してから15日以内。
湿度85%以上、温度4〜8℃。
40g以下の小片やすりおろしの場合のみ外皮除去可。
外皮を除去した後は72時間以上外気に触れさせてはならず、15日以内に真空包装する。
コンテ以外の製品を同時に製造してはならない。
 

 Roquefort (ロックフォール)

【重要】すべての仕上げを現地で実施
本チーズの熟成、保管、カット、調整、販売前の事前包装および包装は、すべて「ロックフォール=シュル=スールゾン」の自治体内のみで行わなければならないルールとなっています。

補足(公示の変更について) 令和8年(2026年)2月1日の変更により、以前あった*「日本国内で消費・カット・包装する場合は現地包装ルールの適用外とする」*という注記(例外規定)が削除されました。これにより、日本国内で流通するものも含め、現地で最終包装まで完了したものだけが「ロックフォール」として認められる形に厳格化されています。

 

 Asiago (アジアーゴ)

現地カット・包装の義務化カット時の包装義務
チーズをサイコロ切り、すりおろし、薄切りスライス、くし切り、ホールなどの様々な形状にカットする際、外皮に付された元のマーク(GIの証明)が見えなくなってしまう場合は、産品の追跡が確実に行えるよう包装しなければなりません。

補足(公示の変更について)以前は「日本国内で消費することを目的として、日本国内でカットや包装を行う場合は、この現地包装ルールを適用しない」という例外規定(注記)がありましたが、今回の変更によりその例外が削除されました。これにより、日本国内に流通する際にも、より厳格なトレーサビリティの確保(包装ルールへの準拠)が求められるようになっています。

 

 Fontina (フォンティーナ)

【包装ルール】
フォンティーナは外皮に湿度があり、チーズ自体も一定の水気を保っているため、非常にデリケートです。そのため、製品の特徴を保つ目的から、チーズのカットや包装も指定された生産地域内で行うことが義務付けられています。

令和8年(2026年)2月1日の変更内容 以前は存在していた「日本国内での消費を目的として、日本国内でカットや包装を行う場合には、現地包装ルールを適用しない」という注記(例外規定)が削除されました。これにより、日本に流通するものも含め、すべて現地で最終包装まで完了した製品だけが「フォンティーナ」として認められる形に厳格化されています。

 

 Grana Padano (グラナ・パダーノ)

販売・包装の厳格なルール(特定に必要な事項)
 偽造を防ぎ、極めてデリケートな品質を保つために、カットや包装に細かいルールが定められています。

すりおろし(粉チーズ)の現地包装義務

  • 粉チーズの製造(すりおろし工程)および包装は、指定された生産地域内で行わなければなりません。

  • 乾燥による官能的特性の劣化を防ぐため、およびホール(塊)に比べて本物かどうかの識別が難しい粉チーズの真正性を保証するためです。

切り落としチーズの流通制限
 各種形状(ブロック、立方体、一口サイズなど)にカッティングする際に出る「切り落とし」を、グラナ パダーノの削り落としチーズとして名乗るには以下の条件が必要です。

  • 外皮の割合が18%以下であること。

  • 元となるホールチーズのトレーサビリティ(追跡可能性)が確立されていること。

  • 生産地域内の同一製造所、または同一グループの製造所間でのみ移動させること。

  • 【重要】粉状チーズ(粉チーズ)の製造を目的とした切り落としチーズの販売は禁止されています。

日本国内流通における注記(例外規定)上記のカットや包装に関するルールについて、公式情報では「日本国内で消費することを目的として、日本国内でカット、販売前の事前包装及び包装等が行われる場合には適用しない」という旨の注記がなされています。(2026年2月1日より3年間の猶予延長)

 

 Mozzarella di Bufala Campana
 (モッツァレッラ・ディ・ブファーラ・カンパーナ)

真正性を担保する流通・包装ルール(特定に必要な事項)
本産品はフレッシュチーズであり非常にデリケートなため、偽造防止と品質維持のための厳しい管理体制が敷かれています。

  • 一貫したトレーサビリティ

    • 監督機関(CSQA S.r.l. Certificazioni)が管理するリスト(農家、製造業者、包装業者)により、すべての製造過程が追跡可能です。条件を一つでも遵守していない場合は名称を名乗ることはできません。

  • 現地包装ルールの完全義務化(変更点)
    • 成形・塩漬けの直後、「製造施設と同一の施設内で包装しなければならない」というルールが徹底されています。

令和8年(2026年)2月1日の変更内容 以前の仕様書には、「日本国内で消費することを目的として、日本国内でカットや包装等を行う場合には適用しない」という例外規定(注記)が存在していましたが、今回の変更によりこの例外が削除されました。これにより、日本に輸入・流通するものも含め、現地イタリアの製造施設で最終包装まで完了したパッケージの状態でなければ「モッツァレッラ ディ ブファーラ カンパーナ」として認められない形に厳格化されています。

 

 Parmigiano Reggiano (パルミジャーノ・レッジャーノ)

地域内でのカット・すりおろし・包装義務

  • 事前包装(パッケージ品)、すりおろし(粉チーズ)、および小売用にカットされる製品は、すべて指定された生産地域内で加工・包装されなければなりません。

  • 【理由1:原産地の証明】 チーズをすりおろしたり小さくカットしたりすると、ホイールチーズの表面に施されている「パルミジャーノ レッジャーノの真正マーク」が消えてしまうため、産地での厳格な管理下での包装が必要です。

  • 【理由2:品質の保護】 カットによって外皮の自然保護作用が失われると、乾燥や酸化が進み、本来の官能的特性(風味や食感)が損なわれます。そのため、分割後は適切な手段で迅速に包装する必要があります(カット品は製造された年に包装されます)。

粉チーズの厳格なルール

  • 正規のパルミジャーノ レッジャーノとして認定されたホイールチーズのみが、すりおろし処理(粉チーズ化)を許されます。すりおろし後はすぐに包装され、保存料の添加や特性を変えるような加工は一切禁止されています。

日本国内流通における注記(例外規定)上記のカットや包装に関するルールについて、公式情報では「日本国内で消費することを目的として、日本国内でカット、販売前の事前包装及び包装等が行われる場合には適用しない」という旨の注記がなされています。(2026年2月1日より3年間の猶予延長)

 

 Pecorino Toscano (ペコリーノ・トスカーノ)

真正性を担保する流通・包装ルール(特定に必要な事項)
 偽造防止とトレーサビリティ(追跡可能性)を徹底するため、厳格なラベリングと管理体制が敷かれています。

刻印とラベリングのルール

  • 本体へのマーク(刻印)

    • ソフト:端部側面にインクで名称マークを付す。

    • 半硬質:端部側面に焼刻印を施す。

  • ラベルの記載義務
    • ホールまたはカットされた製品の包装には、保護協会認定の「Pecorino Toscano D.O.P.」または「Pecorino Toscano D.O.P. stagionato」の文言が入ったラベルを貼付しなければなりません。この文言は、他の文字よりも目立たせる必要があり、15mm以上のカラーマークを1箇所以上に配置します。
  • 3桁の数字による識別コード
    • ラベルにあるロゴの下の記号(3桁の数字)で、認定された業者を識別できます。
    • 最初の数字(左):出荷機関の区分(1〜3:域内酪農業者、4〜6:域内熟成業者、7〜9:域内チーズカット業者)
    • 2番目・3番目の数字:製造・加工を行った具体的な業者識別番号

カット・包装ルールの厳格化

  • 仕様書には「事前に包装されカットされたチーズは、その工程(カット・包装)を原産地で行わなければならない。生産地外で小分けして包装する場合は、皮の部分に製造業者等のマークがあり、かつ保護協会(Consorzio di tutela)との合意が必要である」と定められています。

日本国内流通における注記(例外規定)以前の日本の仕様書には、「日本国内で消費することを目的として、日本国内でカット、販売前の事前包装及び包装等が行われる場合には(現地の包装ルールを)適用しない」という旨の注記(例外規定)が存在していましたが、今回の変更によりこの例外が削除されました。これにより、日本国内に流通するものも含め、すべてイタリア現地で定められた厳格なカット・包装・認可ルールに準拠したパッケージでなければ「ペコリーノ トスカーノ」として認められない形に管理が厳格化されています。

 

 Taleggio (タレッジョ)

真正性を担保する流通・包装ルール(特定に必要な事項)
 タレッジョを小分け(カット)して販売する際には、偽造防止と消費者保護のために非常に厳格な流通ルールが定められています。

原則:指定地域内での小分け・包装義務

  • タレッジョの「本物である証(識別マーク)」は、チーズ全体の平らな表面にしか押印されていません。
  • 小さくカット(小分け)してしまうと、そのマークが失われるか見えなくなってしまい、外見だけで本物かどうかの区別(トレーサビリティの確保)が難しくなります。
  • 以上の理由から、製品の小分けとその後の包装は、指定された地理的地域内(現地)で行われなければならないと定められています。
例外として認められるケース
 原則として現地包装が義務付けられていますが、仕様書では以下の小売販売場所(店舗など)での対面販売に限り、原産地外での包装やカットが例外的に認められています。

1.

小売店において、消費者の直接の要求(オーダー)がある場合に限り、その場で小分けして包装し販売すること。

2.

小売店において、(消費者がすぐに持ち帰る用の)直接販売(対面販売)を目的として、その場で小分け・包装すること。
日本国内流通における注記(例外規定)以前の仕様書には、「日本国内で消費することを目的として、日本国内でカット、販売前の事前包装及び包装等が行われる場合には(現地の包装ルールを)適用しない」という日本独自の包括的な免除規定(注記)が存在していました。 今回の変更によりこの注記が削除されたため、日本国内での流通であっても、あらかじめカット・包装されたパッケージ品を販売する場合は「現地で包装されたもの」か、あるいは「小売の店頭で消費者の要求に応じてその場でカットされたもの」でなければならないという、国際基準に準じた厳格な運用へと変更されています。
 

 Edam Holland (エダム・ホラント)

特定・ラベリングのルール(識別方法)

  • カゼインマークの貼付: 凝乳(カード)を圧搾する前に、「Edam Holland」の名称と、各個体固有の英数字の組み合わせ(個別コード)が表示されたカゼイン製のマークをチーズ自体に貼付します。

  • トレーサビリティの確保: この個体識別番号はオランダ乳製品監督機関(COKZ)の登録簿に検査結果(時間・場所含む)とともに記録され、消費者側からも生産地が確実に確認できる仕組みになっています。

  • 流通時の包装: 切り分けや販売前包装は国内外どこでも可能ですが、包装業者がマーク上に記載された英数字からなる個別コードによりトレーサビリティが確保され、消費者が生産地を確認できる総合的な監視システムを有していることが前提である。

 

 Gouda Holland (ゴーダ・ホラント)

特定・ラベリングのルール(識別方法)

  • カゼインマークの貼付: 凝乳(カード)を圧搾する前に、名称である「Gouda Holland」と、各個体固有の英数字の組み合わせ(個別コード)が表示されたカゼイン製のマークをチーズ自体に貼付します。

  • トレーサビリティの確保: この個体識別番号はオランダ乳製品監督機関(COKZ)の登録簿に検査結果(時間・場所含む)とともに記録され、消費者側からも生産地が確実に確認できる仕組みになっています。

  • 流通時の包装: 切り分けや販売前包装は国内外どこでも可能ですが、包装業者がマーク上に記載された英数字からなる個別コードによりトレーサビリティが確保され、消費者が生産地を確認できる総合的な監視システムを有していることが前提である。

 

 Queso Manchego (ケソ・マンチェゴ)

◯ 販売・包装のルール

  • 品質に影響を及ぼさない包装状態でのみ流通可能。

  • 常に皮付きで販売される(洗うことは可能だが、皮を黒くする物質の使用は一切禁止)。

  • パラフィンコーティング、透明な認可物質での被覆、オリーブオイルへの浸漬は可能だが、カゼインラベルが読み取れる状態を維持する必要がある。

  • 生産地が識別できる状態であれば、スライスやすりおろしでの販売も可能(トレーサビリティが確保される手続きに従えば、生産地域外でのカット・すりおろしも認められる)。

 

 Abondance (アボンダンス)

【包装ルール】
チーズのスミア(表皮の菌層)を保護するため個別に包装し、包装状態で販売する際は、それぞれのチーズの3辺に外皮をつけておく必要があります(加工用のチーズ片は外皮なしでも可)。