Emmental de Savoie

エメンタール・ド・サヴォア

 
 
原産地
サヴォア県、オート=サヴォア県
原料乳
牛乳(無殺菌乳または低温加熱乳)
※製造前の熱処理は禁止されています(40℃未満)
※ 原料乳に関しては両県に加えローヌ川右岸にあるアン県の3つの自治体(Anglefort, Corbonod, Chanay)を含む。
※熟成に関しては両県に加えてアン県内の地方自治体 Saint Germain de Jouxを含む。
※主にアボンダンス、モンベリアルド、タリーヌ
M.G.
45%以上
形状
直径72〜80cm、中央が隆起したドーム型、
高さ25〜30cm、重さ60kg以上(熟成した状態)
熟成期間
70日以上

 このチーズは19世紀初頭にこの地域に誕生しました。<fruitières(フルティエール)>という名の地元の農業組合がいくつかの群れからミルクを集め、熟成期間が長く、長期保存が可能な大きなチーズ「"Fromage de garde"(フロマージュ・ド・ギャルド)」を作ったのがはじまりとされています。
 生地には大き目のサクランボ〜クルミサイズの円または楕円形の穴「les yeux(チーズの目)」が一様に広がっています。このチーズはスイスのエメンタールと比べると一回り小さくドーム状に隆起しているのが特徴で、原料乳殺菌の禁止やサイレージ給餌の禁止、温室熟成による生地の発酵工程など製法も似通っていますが、スイスエメンタールと違ってIGP規定の中にプロピオン酸発酵に関する記述がありません。また19世紀末にはこのチーズの原型として「Gruyère demi-gras(半脱脂のグリュエール)」が製造されていた記録があり、呼び名も「le Savoyard」や「Disque étoile」などで、エメンタールとして作られてはいなかったようです。やがて冬の間に温度が下がりすぎないよう、製造所のセラーに加熱装置が導入されると暖かいセラーで熟成させることで生地に隙間ができ、これによって味や食感に変化が生じることが発見され、現在のエメンタール・ド・サヴォアとなります。

PGI
 1996年6月21日IGP取得